番外編:新進作家展スティル|アライヴ 〜ビール工場取材〜

  • 2007.11.27 Tuesday
  • 21:11
このところ、比較的いいペースで更新しています古写真ブログ。
さて、今回は番外編としてサッポロビール工場の取材をお届けします。
新進作家展第6回目となる本展は、「現代人の生と時間、その表現」をテーマに、写真・映像をメディアとして制作活動を行う30代のアーティスト4人に焦点をあてたグループ展です。

もちろん、この展覧会は僕の企画ではありません。
しかし、展覧会の制作運営をひとりで切り盛りするのは難しいため、当館では常に主担当と副担当1名という2人体制でお仕事を運んでいます。つまり、この展覧会は僕が副担当というわけです。僕が主担当で企画する展覧会は、基本的に幕末〜明治期に制作された写真で構成することがほとんどです。なので残念ながら、出品作品を制作してくださった人々にお会いすることは出来ません。古写真は大好きなのですが、ここだけは悲しい。残念でならない部分なのです。

ですが、今回はバリバリの現代作家。
それも僕とほとんど同年代の人々が制作する作品が出品される。
まして、実際に作家が取材しているところに立ち会うことが出来る!というのは、学芸員冥利に尽きます。
かなり、うれしい。この展覧会を企画した石田哲朗学芸員ありがとう。

パパ一年目のイケメン学芸員、石田氏。

というわけで、スティル|アライヴ出品作家の田中功起さんの制作に立ち会わせて戴きました。
なお、この制作にはサッポロビールさんの多大なるご協力をいただきました。

工場内に入るために制服をお借りしました。(写真中央が田中功起氏)

それにしても、ビール工場はかっこいい場所でした。
「来てるね、未来!」的というか、「ピタゴラスィッチ」的というか、轟音の中で恍惚としてしまう感じでした。
なにしろ、基本すべてがオートメーション。
その行程はというと・・・戻ってきたビールケースがレーンに入ると、まず大きなアームが一段ずつ降ろし、ビンとケースを分け、それぞれを洗浄。洗浄されたビンにビールを詰め、速攻で王冠がはめられます(この部分は完全にクローズ構造)。そして、規格に合っているか、異物の混入はないかなど、さまざまなチェックがもの凄い数のセンサー&人の眼によってなされて、適合したものだけにラヴェルが貼られる。そして、きれいになったビールケースと合流して、また積み上げられ、オートマチックで倉庫へ。
このすべての工程が、大体1時間半くらいで1サイクル終了です。
ビール瓶やビールケースはすべてリユース。
傷がついてしまったビンはそのままリサイクルされます。
ところで、みなさまご存知でしたでしょうか?
ビールケース(「P函(ピーバコ)」と業界の方はおっしゃるそうです)は、大体25年くらい使えるのだそうです。そして、その役目を終えると溶かされてパレット(ビールケースを積んで載せておく台)になるそうです。
 
洗浄されているビールケース


膨大に積み上げられたビールケースを撮影する田中氏

 
流れる大ビンたちを撮影する田中氏(手ぶれしていてスミマセン)

田中さんによる今回の出品作品は、社会の中で流れるあるいは、循環するものたちを展示空間で一時停止させるもの。12月22日からの展覧会では、今回撮影した映像に、住宅廃材を利用して制作されたものを加えて、インスタレーションとして発表される予定。
ご期待ください!

今回の撮影取材は、古写真を「いま」プレゼンテーションすることを考えている僕にとって、とても意味のある時間を過ごさせていただきました。

さて、恒例のおいしいもの。
今回はもちろん、サッポロビール工場のお食事。社員食堂の定食です。

白身魚の天ぷら定食。
実をいいますと、恵比寿の当館となりガーデンプレイスタワーにもトレーを使ってセルフサービスの社員食堂のようなお店があって、比較的よく利用しています。でも、こちらは本物。お箸は割り箸でなく、ちゃんとリユースするものだし、器も一切気取りなし。潔くてかっこいい。
一般のビール工場見学では、訪れることが出来る場所ではないので、かなり役得感がありました。

次回は、ちょっとまじめな古写真のお話を。

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