香川県調査

  • 2010.01.05 Tuesday
  • 12:54
こんにちは、古写真ブログ担当の三井です。

予告予告、でなかなかできなかった四国・九州・沖縄編調査報告第一弾。
今回こそは、平成23年3月より開催予定の第三回開拓史展の初回調査で平成21年10月に訪れました香川県のお話です。

たまには学芸員らしく、改まって今回の目的をまずご説明します。
この展覧会は、四国・九州・沖縄を調査地域とする展覧会です。公立に限らず、公開機関を持つ組織(美術館、博物館、文書館、資料館、図書館など)やこれらと関わりの深い教育委員会や大学へ古写真に関わるアンケートをお願いし、お答えいただいた内容に沿って調査をさせていただいて、この成果を展覧会としてまとめるものです。このアンケートは11月にお送りしたものなので、香川県はちょっとフライングです。
というのも、以前からさまざまなご協力をいただいていた香川県教育委員会の方がご尽力くださり、今回の調査にも一方ならぬご助力をいただきました。このため、県内の所蔵情報をいち早く知ることができ、早期に調査へうかがうことができた!というわけです。

今回ご報告するのは、塩飽諸島の本島に位置する塩飽勤番所。
こちらには、遣米使節に同行した咸臨丸の乗組員が持ち帰ったアンブロタイプが2点収蔵されています。こちらの調査には教育委員会の方のほか、日本大学芸術学部写真学科の助教でいらっしゃる田中先生も同行されました。


若干雨がぱらつく中、丸亀からフェリーでいざ本島へ。
それにしても、瀬戸大橋ってすごいですね。人が力を合わせると、何でもできるんじゃないか?って思えてしまいます。


史跡が多く、美しい島です。


いざ勤番所へ!

調査させていただきましたのは、制作者不詳《向井仁助像》とウィリアム・シュー《松尾延次郎像》の二点で、ともにアンブロタイプで万延元(1860)年に咸臨丸で渡米した像主が、サンフランシスコで制作を依頼した写真です。


制作者不詳《向井仁助像》


ウィリアム・シュー《松尾延次郎像》

ともに調査時の写真なので、写り込みなどのお見苦しい点はご容赦くださいませ。

制作者不詳《向井仁助像》は蓋(あるいは表紙)の部分が欠損していますが、画像はとても堅牢で頬や刀の柄部分に着彩がしっかりとあります。ケースがすべて残っていないとはいえ、この点をのぞけばとても良いコンディションです。
ウィリアム・シュー・スタジオ記載が入ったオーバルフレームが使われている《松尾延次郎像》は、分解されたらしい痕跡があり、画像が見えにくい状態にありますが、蓋(あるいは表紙)部分がしっかりと残されています。本来であれば、乳剤面が箱の内側にあるはずなのですが、現在、この作品は乳剤面が露出している状態にあります。分解されたあとがあることからも、何らかの理由で分解され、本来ではない状態で組み立てられてしまった可能性が高いと考えられます。

いずれにしても、万延元年制作のアンブロタイプ!です。
貴重な写真作品であることには、何の異論もないでしょう。


今回の香川県調査では、こちらのほかに、香川県立ミュージアム、多度津町立資料館、丸亀市立資料館、東かがわ市歴史民俗資料館などへおうかがいし、作品調査をさせていただきました。所蔵館の皆様、ご協力まことにありがとうございました。
また、本当にお世話になった香川県教育委員会さまには、足を向けて眠れません。
衷心より感謝いたします。


calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM