クーリエというお仕事

  • 2010.06.03 Thursday
  • 15:14
JUGEMテーマ:ヨーロッパ
 
こんにちは、こんばんわ。
古写真ブログ担当の三井です。
久しぶりの東京は、とても良いお天気で日差しがまぶしく心地よいです。
実は、少々日本を離れておりました。
学芸員の業務には、欠かすことのできないクーリエというお仕事でマドリッドにいたのです。
クーリエ(Courier)というと、一般的には外交文書を運搬するお仕事を指しますが、私たち学芸員が運搬するのは、もちろん作品です。そして、学芸員としてのお仕事は、運搬そのものというより、海外へ貸出が行われる作品が安全に運搬され、協定通りの条件下で展示がなされるかを見届けることです。
今回は、6月1日からはじまった「LÁSZLÓ MOHOLY-NAGY. EL ARTE DE LA LUZ(光の芸術 ラズロ・モホリ=ナジ)」(PCリンク[スペイン語]はこちら)展に当館収蔵の作品5点を出品したいとの依頼があり、これに当館がご協力することになりました。ただ、当館としても大切な東京都の財産である作品をお貸し出しするわけです。特に海外の場合、実際にこちらが提示した条件通りに輸送され、展示されるのかについてチェックする守人が必要になります。今回のマドリッドはこのお仕事で伺ったのです。


東京からスペインを訪れた作品。海外への輸送の際は、このような木箱(クレート)を製作して輸送します。SYABI MADRIDの文字と「データロガー付 注意」の日本語。データロガーとは、温度や湿度などの環境を記録する精密機械で、作品が置かれた環境を記録するために取り付けておくものです。


一点一点丁寧に梱包を解いて、作品のコンディションを現地スタッフと一緒にチェック。


展示をどうするか、事前に考えられていたプラン通りで良いのか、あるいは変更するのかの最終チェックです。


場所が決まったら、展示作業。
日本では通常、輸送業者の方がこの作業も請け負いますが、スペインは美術館に専門スタッフの方がいらっしゃいます。作業は水平器と目分量で進められます。ここも日本と違うところ。日本では水糸かレーザーを使って水平を出してから展示が進められることが多いですね。


次にライティング作業。照明器具にUVフィルターが装着されていることもチェックします。


照度計を使って、照度(作品に当たる照明の明るさ)を入念にチェックします。


最後に、箱に取り付けておいたものとは別に当館から持ち込んだデータロガーを作品付近の壁面へ取り付けます。


できあがりです。
日本、いえいえアジアから本展へ貸出されたモホリ=ナジの作品は、当館だけ! 
当館がいかに重要な作品を収蔵しているかおわかりいただけると思います。
それにしても、日本とは全く展示の仕方が異なりますね。
エモーショナルというか、リズミカルというか。このような展示だと、かえって水糸を張っていたら、時間が掛かりますよね。

さて、せっかく伺ったのですから、19世紀の写真史に関する文献をゲット!

レンズキャップを開けて露光している写真が表紙!なんて、すばらしい!

詳しい内容はスペイン語なので頑張らなくてはなりませんが、図版を見ただけでも、未見のものが(それも)かなりありました。なかにはこのような挿図も。

写真を悪魔の技として皮肉ったカリカチュア。
いずれにせよ、各国の写真史を見ていくことは本当に楽しいです。

さて、今回はマドリッドのおいしいもの情報。

残念ながら、ぼくは甲殻類がだめなので野菜だけを使ったパエリアです。
味はかなりしっかり目で、ズッキーニやアスパラがたっぷり入っていました。奥にあるのはレモンではなく、もう少し甘みのある柑橘類。レモンとグレープフルーツとの間といった感じでした。

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